やましたレディース・マタニティクリニック「NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)」についてのご説明です

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073-426-8111

診療内容

NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)について(対面・オンライン)

当院は、日本医学会「出生前検査認証制度等運営委員会」によりNIPT実施医療機関(連携施設)として認証され、基幹施設の日本赤十字社和歌山医療センター(以下日赤)と連携して対応しております。

NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)とは

妊婦さんの採血だけで、おなかの中の赤ちゃんが染色体異常をもつ可能性を調べる検査です。

対象となる染色体疾患
  • 21トリソミー(ダウン症候群)
  • 18トリソミー(エドワーズ症候群)
  • 13トリソミー(パトウ症候群)

(無認可施設においては、その他の疾患もNIPTの項目に加えていますが、事前確率が低い疾患は偽陽性率が高く、検査の精度に関する検証が不十分のため対象となりません)

検査時期

妊娠10週0日から15週6日まで

検査を受ける理由
  • 高齢妊婦
    (年齢制限はありませんが、年齢が低い場合は偽陽性率〔疾患でないのに陽性になる率〕があがると言われています)
  • 21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミー(以下トリソミー)を持つ児の妊娠歴がある
  • 超音波検査や母体血清マーカーで胎児が上記のトリソミーである可能性の上昇を指摘されている
  • 本人・パートナーのいずれかが、上記の染色体疾患に関わる転座保因者である場合
  • 本人・パートナーの強い希望がある
    先天性疾患、出生前診断、上記トリソミーに対するカウンセリングを受けた後も検査を希望する場合
費用(税込)

NIPT検査料:99000円(当院で妊婦健診を受けている方・初期ドックを受けた方は88000円)
事前カウンセリング:5500円(オンライン+2200円)
結果の説明:3300円(オンライン+2200円)

オンラインによるカウンセリング:大阪府や紀南地方など遠方の方で、受診のために時間的な負担が掛かる方は、オンラインによる事前カウンセリングが可能です。NIPT検査(採血)当日の受診のみで済みます。結果もオンラインや電話連絡等で対応できます。

※クリックすると詳細をご覧いただけます

NIPT受診の流れ
カウンセリング日時(完全予約制)(対面・オンライン)

火曜日・水曜日・土曜日:午後
月曜日・金曜日:20時から

①予約

*当院にて健診中の妊婦さんは、診察時に検査の希望を申し出てください。必要書類をお渡しします。
*他院で健診を受けられている方は、当院事務までお電話をお願いします(073−426−8111)
 1、お名前 2、郵便番号 3、住所 4、携帯電話番号 を確認させていただきます。

当院医師から、検査前カウンセリング日時調整のお電話をさせて頂きます。(診療時間終了後や休祝日になることがありますがご了承ください)

必要書類をご自宅へ郵送します。
必要書類

ご本人およびパートナーはNIPT説明書を事前に読んでおいてください。(カウンセリングはこの書面に沿って行います)
また、日本医学会「出生前検査認証制度等運営委員会」作成のHP「一緒に考えよう、お腹の赤ちゃんの検査」 https://jams-prenatal.jp/ も見て、出生前診断・検査について、パートナーと話し合ってください。

②当日(対面もしくはオンライン)
原則としてパートナーと同伴です。

③採血(本人のみ、心拍を確認後採血をして短時間で終了します)
月・火・水・金・土曜日午前9時から午後16時(予約制)
採血までにNIPT同意書に本人およびパートナーは署名をして提出してください。

④結果の説明(本人のみでも可能)
結果は7-10日程で出ますで、こちらから連絡します。

注意事項

  • 事前カウンセリングは原則としてパートナーと同伴です。
  • カウンセリング後にNIPTを受けるのをやめることもできます。
  • 初期ドックを受ける方は同日(初期ドックの後)にカウンセリングを受けることができます。
  • 検査を受けるか迷っている方の相談も行っています。
NIPTの原理・特徴について
NIPTの原理

お母さんの血液中に赤ちゃんの染色体の情報(cell-free-DNA:DNA断片)が約10%含まれます。赤ちゃん自身の細胞ではなく、胎盤由来の情報です。母体血漿中のDNA断片のうち、21番、18番、13番目の染色体に由来するDNAの量を調べる事で、21、18、13番のDNA量が通常量よりも多いかどうかで、対象疾患(21トリソミー、18トリソミー、13トリソミー)である可能性を高い精度で判定します。

NIPTの特徴

胎児の染色体を調べる検査として羊水検査や絨毛検査がありますが、これらの検査は、子宮に針をさす侵襲的な検査のため流産リスクがあります。NIPTは採血だけでリスクはありません。
ただし、胎盤由来の情報であり、胎児を直接調べているのではないため、非確定検査です。陽性であれば、確定診断のため確定検査(羊水検査)が必要になります。
また21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの3種類の染色体疾患しか診断できません。これらは胎児異常の17%程度にすぎず、それ以外の疾患は診断できません。

結果について
結果は陰性、陽性、判定保留のいずれかで報告されます。

○ 陰性(陰性の場合は当院にて結果の説明をします)
胎児が3つのトリソミーをもつ可能性が低い(トリソミーでない可能性が99.9%以上)という結果です。100%ではなく、極めてまれにNIPTが陰性であっても3つのトリソミーのいずれかを持っている場合があります。またNIPTが陰性でも、胎児が他の先天性疾患である可能性は否定できません。

○ 陽性 胎児が3つのトリソミーのうちいずれかをもつ可能性が高いという結果です。
陽性でも必ずトリソミーを持つとは限らず、偽陽性(疾患でないのに陽性の結果)の可能性もあるため、確定検査(羊水検査)が必要になります。
結果が陽性の場合は基幹施設(日赤)でカウンセリングと羊水検査を受けていただきます。(カウンセリング料3300円、羊水検査料は無料・諸経費約5000円)

○ 判定保留 検査の限界としては、判定保留(No-call)という結果が0.3−0.4%にあります。判定保留の場合も基幹施設(日赤)でカウンセリングを受けていただき、再度NIPTを行うか羊水検査をするか相談します。

対象疾患について

① 21トリソミー(ダウン症候群)
21番の染色体が通常より1本多く、3本あることに伴う症候群をいいます。21トリソミーをもつ赤ちゃんは1000人に1人生まれ、日本には5〜6万人の方が生活されています。
21トリソミーをもつ赤ちゃんは、筋肉の緊張が弱く、発達がゆっくりであることが特徴です。また、心疾患等を合併する事もあります。しかし、早期から療育(医学的視点に基づく教育や養育の支援)をすることで、知的にも身体的にも能力が向上することが分かっています。それにより、健常者と同じように社会生活をされている方も多く、大学進学や就業されている方もいます。また、芸術に秀でている方も多く、書道家や音楽家として活躍されている方もいます。

② 18トリソミー(エドワーズ症候群)
18番の染色体が3本あることに伴う症候群をいいます。18トリソミーをもつ赤ちゃんは4000〜10000人に1人生まれます。18トリソミーをもつ赤ちゃんは多くの疾患を合併していることが多いため、胎内で亡くなる事が多く、出生後も生命予後が不良であることが多いです。しかし、症状は様々で近年は自宅療養できる方もいます。

③ 13トリソミー(パトウ症候群)
13番の染色体が3本あることに伴う症候群をいいます。13トリソミーをもつ赤ちゃんは5000〜10000人に1人生まれます。13トリソミーをもつ赤ちゃんは多くの疾患を合併している事が多いため、出生後も生命予後が不良であることが多く、平均寿命は3〜4ヶ月と言われています。

(21、18、13番以外の番号の染色体数的異常の多くは妊娠初期に流産します)

NIPT以外の出生前診断について

当院は初期精密超音波検査(初期ドック)を行っています。
初期ドックでNT肥厚(首のむくみ)やトリソミーに特徴的な所見があればNIPTはお勧めせず、妊娠16週までに確定診断が可能である絨毛検査をお勧めします。
また、NIPTは先天性疾患の約17%であるトリソミーしか診断できないため、先天性疾患全体の検査としてNIPT単独はお勧めしません。
年齢が若くトリソミーの率が低い方は、初期ドックをお勧めします。初期ドックで、胎児に形態異常やトリソミーを強く疑う所見が認められない場合に、特に高齢の方はNIPTを併用することでより診断精度があがります。