妊婦健診で行われる超音波検査は「通常超音波検査」であり、胎児の異常を調べる検査ではありません。胎児の先天性疾患を調べる検査は「胎児(精密)超音波検査」です。

*クリニックや総合病院の妊婦健診で行っている超音波検査は以下の内容について検査を行っています。
・妊娠初期:予定日の決定、発育、異所性妊娠や流産のなど異常妊娠の有無など
・妊娠中期以降:胎児の発育、胎児の向き(頭位・骨盤位)、胎盤や羊水の観察、子宮頸管長測定(切迫早産の診断)など

これらの検査には胎児の先天性疾患(新生児の3−5%)を調べる検査は含まれていません。多くの妊婦さんは、胎児の精密超音波検査を受けていませんが、95−97%の子供さんが健康に生まれてきますので、その中に入っていたということです。

*一方、胎児の先天性疾患について調べる精密超音波検査は、専門のクリニックや専門外来で妊婦健診とは別に行います。
・初期:ダウン症などトリソミーリスクの評価、胎児形態異常(奇形)の検査
・中期:胎児形態異常の検査
初期・中期は結果によっては絨毛検査や羊水検査を行い、確定検査(染色体検査や遺伝子検査)の結果で妊娠を継続するか判断する必要があります。
・後期:出生後すぐに対応が必要な疾患が無いか、主として生まれてくる準備としての超音波検査

当院では中期・後期胎児超音波検査を妊婦健診の必須検査として行っています(超音補助券のみで自己負担なし)。また、稲田クリニックでも妊娠後期に私が胎児超音波検査を行っています(こちらも自己負担なし)。

生まれた赤ちゃんの3−5%に先天性疾患があります。言い換えれば95−97%の赤ちゃんは健康に生まれてきます。高い確率で健康に生まれてくるため、先天性疾患を心配していない妊婦さんは、一般の妊婦健診だけで、胎児超音波検査を受ける必要はありません。一方、3−5%の先天性疾患を心配される方や高齢でトリソミーを心配される方は、胎児超音波検査を受けるか検討してください。また、先天性疾患の中には、出生後に対応が必要な緊急性のある先天性心疾患も含まれていますので、胎児超音波検査は重要な検査です。