超音波検査の胎児への影響について
超音波検査(エコー検査)は、人間の耳には聞こえない高い周波数の音波を体内に送り込み、跳ね返ってきた反射波を画像化するものです。エコー検査はX線検査とは異なり、放射線を使用しないため、被ばくの心配がありません。このため、繰り返し検査を行うことができる安全性の高い診断法として、妊婦健診で広く普及しています。
ただし、超音波を長時間同じ場所に当て続けたり、高出力で使用したりすると、組織の温度上昇(温熱作用)や組織中の微小な気泡の発生・破裂(キャビテーション)といった生物学的な作用が起こる可能性があり、胎児への影響を考慮する必要があります。最近の超音波機器には、T1(Thermal Index:組織の熱に対する指標)、M1(Mechanical index:キャビテーションに対する指標)という安全装置が備わっています。
通常のBモード検査(2D画像)の胎児への影響は心配ありませんが、(パルス、カラー、パワー)ドップラー検査など高出力の超音波を用いる場合は、検査時間を最小限にとどめることが推奨されています。胎児の心臓の動きや血流を調べるドップラー検査は、通常のBモード検査よりも高い出力の超音波を使用します。このため、特に妊娠初期の胎児の器官形成期には、必要最小限の時間に留めることが大切です。ISUOG(国際産婦人科超音波学会)では妊娠10週6日まではドップラーを使用しないように勧告しています。
通院されているクリニックで妊娠初期(10週まで)に胎児の心臓の音を聞かせてもらった事があるかもしれませんが、心臓の動きを音に変えているだけで、実際の音ではありません。この時期の胎児への影響から控える必要がありますが、一般のクリニックでは周知されていません。
一方、妊娠12週以降の一般的な妊婦健診で用いられる超音波検査は、安全基準を満たした機器で適切な時間内に実施されるため心配は不要です。



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