経口避妊薬(ピル)は卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲスチン)が含まれています。エストロゲンが血栓症のリスクになるため、服用できない方もいます。
一方、エストロゲンを含んでいない黄体ホルモンだけの経口避妊薬は「ミニピル」または「POP」と呼ばれ、血栓症のリスクがなく、ほとんどの方は服用できます。
我が国では今までミニピルは認可されていなかったため、当院ではセラゼッタを海外から輸入し、処方していました。
しかし、2025年7月に初めてスリンダ錠が認可・発売されました。スリンダ錠は黄体ホルモン(ドロスピレノン)だけの経口避妊薬で、世界62か国以上で承認実績があります。

#スリンダ錠の避妊効果(避妊成功率:約99.6%)
1.排卵抑制:プロゲスチン(ドロスピレノン)により、LHサージを抑制し排卵を防止
2.子宮内膜の菲薄化・受精卵の着床を抑制:受精卵を着床しにくくする
3.子宮頸管粘液の粘性を増加:精子が子宮に侵入するのを妨げる

#メリット
・血栓症リスクがない
血栓症の原因となるエストロゲンを含まないため、低用量ピル(OC/LEP)と違い血栓症のリスクがありません。そのため、喫煙者、高血圧、肥満、脂質異常症、40歳以上などの血栓症リスクがある女性やピルが服用できない方にも使用できます。

・月経痛・PMS症状の緩和
低用量ピル(OC/LEP)と同様に、排卵が抑制され、ホルモンの変動が少なく、本来の自然の月経は起こりません。月経痛やPMSが緩和されると思われます。

・吐き気などの出現が極めて低い
エストロゲンが入っていないため副作用の出現は低いです。

・産後直後や授乳中でも内服可能
ピルは血栓リスクのため産後の開始時期が決まっていますが、スリンダは出産直後から開始できます。母乳には移行することが確認されていますが(添付文書上は中止を検討と書かれていますが)、移行率はわずかなので授乳中も使用可能です。

#デメリット
・不正出血
使用開始初期は少量の不正出血が続くことがあります。30〜50%程度の方が経験されます。継続して使用することで頻度が低くなってきます。

#使用方法
1日1回1錠、一定時刻に服用します。
1シートは28日分で、24錠の実薬+4錠のプラセボ(偽薬)です。

偽薬内服中に、少量の月経様出血が起こります。出血が起きないこともありますので、2シート連続で出血がない場合は、妊娠していないかのチェックをしてください。

#費用
1シート 2980円(税込)